市田柿

登録番号 13
名称 市田柿(イチダガキ)、ICHIDA GAKI、ICHIDA KAKI
分類 加工食品
登録区分 第18類 果実加工品類 干柿
登録日 2016/07/12
生産地 長野県
飯田市、下伊那郡ならびに上伊那郡のうち飯島町および中川村
連絡先

みなみ信州農業協同組合

長野県飯田市北方3852番地22

http://www.ja-mis.iijan.or.jp/

市田柿
※提供元:みなみ信州農業協同組合

「市田柿」(※1)は、長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村で栽培されている渋柿品種の市田柿(※2)のみを原料とする、肌理の細かい独特の食感と白い粉化粧をまとった仕上がりが特徴の干し柿です。
(※1):干し柿の「市田柿」、(※2):品種の市田柿を指す。
 市田柿は、成熟時に糖度18%以上になる高糖度品種であり、干し柿として乾燥し凝縮されることにより、糖度は最大65~70%にもなります。ブドウ糖、果糖を主体とした糖分組成により、上品でさらっとしつつ、しっかりとした甘味として感じられます。一般的に干し柿は、比較的大玉の品種を原料とするのに対し、市田柿は成熟時に100~120g中心の小ぶりな品種です。「市田柿」も平均25gと小ぶりであり、食べやすく、しっかりした甘味でも食べ飽きないとされています。さらに「市田柿」は、明るい飴色の果肉(断面)と羊羹のようにやわらかでもっちりとした肉質を持ちますが、これらは原料の市田柿の元来の特徴が、干し上げられることにより顕著に現れた結果と言えます。

「市田柿」の特性にとっては、原料だけではなく、じっくりとした干し上げ(乾燥)としっかりとした揉み込みが重要であり、両者は相互に関連しています。柿揉みは、水分が多い場合、過度に揉むと柿がつぶれてしまうからです。柿揉みは、柿揉み機による場合と手揉みによる場合とがありますが、原則として、柿揉み機を使用し、投入量と時間を調整しながら何度も行います。小ぶりである市田柿は柿揉みの効果が良く現れ、果肉のもっちり感を充分に引き出す要素になっています。また、表面を覆う白い粉は、果肉内から水分と共に浸み出したブドウ糖の結晶であり、高糖度の市田柿をしっかり揉み込むことによって、肌理細かな化粧肌のような仕上がりとなります。

原料の市田柿は、タンニン含有量が高いため非常に脱渋し難い性質で、また小ぶりな形態は乾燥が進みやすいため、脱渋には時間をかけてじっくり干し上げることが必要となります。「市田柿」生産地域一帯は、天竜川の両岸に続く河岸段丘上に広がる果樹園地帯であり、柿の収穫期にあたる晩秋から初冬には、朝夕の冷え込みにより天竜川から川霧が発生し、河岸段丘をのぼります。このことが、小ぶりな市田柿でもじっくりと干し上がる絶好の温度と湿度の条件をもたらしています。現在では、自然乾燥に替えて機械乾燥や火力乾燥も採用されていますが、この川霧効果がシステム的に再現されています。原料の市田柿の発祥は、1800年代に下市田に祀られた伊勢社の境内にあった柿の古木です。その古木に生った柿で作った「焼柿」が美味しいとの評判から、接ぎ木によって村中へ広まり、次第に多く栽培されるようになったとされています。1949年以降、市田柿の優良系統選抜が実施され、6樹の優良系統が長野県の優良母樹に指定され増殖されています。
 「市田柿」と命名されたのは1921年、当時市田村下市田の上沼・橋都・酒井氏らが栽培から加工まで長年に亘って研究と改善を重ねた結果、干し柿として色沢・食味共に素晴しいものに仕上がるようになり、東京の市場に出荷する際に発祥の地名から「市田柿」と銘打ったのが始まりです。「市田柿」は1~2月に食べるための保存食として、また、年始の「歯堅め」として、地域の風物詩として根付いています。

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